ゼロスの野望



「おい、しいな。そんなとこでなぁにやってんだ?」
ミズホの里の片隅で、膝を抱えて座っていたしいなにゼロスが声をかける。
一瞬ビクッとしいなの体が揺れ、慌てて何かを隠す。
「べ、別になんでもないよ。それよりあんたこそ一人で何やってるんだい」
立ち上がって振り向くしいなの目は赤く、ひと目で泣いていたとわかる。
が、ゼロスは気付いた風もなく答える。
「いやほら、コレットちゃんはロイド、リフィルさまはガキンチョ、プレセアちゃんもリーガルと一緒にいるもんだからさ。なんてゆーの?気を利かせたってやつ?」
「要するに誰にも相手してもらえない、ってんだね」
「あ、そゆこと言う?せーっかく人が心配して様子を見にきてやったってのに?」
「え?」
ゼロスはしいなの手を取って、握られたままの掌を開かせる。
リン、と澄んだ音がし、鈴がひとつ姿をみせる。
「またコリンの事、考えてたのか」
「ん……ちょっと、ね。あたしはコリンがいないとやっぱり一人ぼっちなのかな、ってなんであんたにこんな話しなくちゃならないんだい!」
怒ったしいなが投げつける符をヒラリとよけるゼロス。
「そーんな言い方ないだろー?試しにこのゼロス様に相談してみな。ロイドみたいに『俺たち仲間がいるじゃないかっ』なんてズレた事は言わないぜ?」
ゼロスの言葉にハッとするしいな。
「お前の言いたいのは仲間じゃなく、パートナーだろ?」
「……うん……さっきあんたも言ってたけどみんなそれぞれパートナーがいるみたいだし、仲間って言っても結局ロイド中心に集まってるわけだろう?」
ゼロスは腕組みしたまま、黙ってしいなの言葉に耳を傾ける。
「そんな事考える度、フッとコリンの事が頭をよぎって、さ」
しいなは掌の上の鈴に目をおとす。が、鈴は静かに日の光を照り返すのみ。
「……」
「あ、あたしったら何話してんだろね?さ、そろそろみんなの所に戻らないと」
「俺じゃ駄目か?」
ゼロスが重々しく口を開く。
「へ……?」
間の抜けた声で聞き返すしいな。
「ま、今更説明するまでもないが俺はこんな人間だ。女は好きだし嘘もつく。だがな」
ゼロスはグイ、としいなを抱き寄せる。
「ちょっ、なにするんだい!」
暴れるしいなを難なく押さえつけ、その耳元で囁く。
「俺なら、しいな、お前の事をわかってやれる。そしてお前なら俺の事を理解できる」
「そ、そんな調子いい言葉を誰が」
「これが適当な事を言う顔に見えるか?俺はお前のパートナーに、いや違うな、俺達2人でひとつになりたいんだ!」
しいなのすぐ目の前にゼロスの顔がせまり、彼のいつになく真剣な眼差しがしいなの目を捉える。
「う……」
「前からお前の事、好きだったんだぜ?」
「ま、またそんなキザったらしい事」
ゼロスは、真っ赤になって顔を背けるしいなの唇に無理やりキスをする。
「……!」
ゼロスの舌が、固く閉ざされたしいなの唇を強引に割って入り込む。
舌先がもつれ合い、逃げようとするしいなの舌をゼロスが絡めとり、彼女の口中が交じり合う唾液で溢れそうになる。
「……ぷぁ」
水音を立てて二人の口が離れる。
「俺は本気だぜ」
「……バカ」
しいなの首筋を指の腹で撫で、再び彼女の唇を吸う。
唇を舐めまわし、そのまま唾液を送り込む。
コクッコクッと音を立ててそれを飲み下すしいな。
先ほどとは違って、互いに舌を差し入れ貪るように唇を合わせる。
ゼロスはしいなを抱いたまま、彼女の帯を解きインナーを脱がせる。
上半身がはだけ、豊かな胸があらわれる。
「いいだろ?しいな」
しいなを地面に寝かせながら、ゼロスは彼女の下腹部を指でなぞる。
「あっ、く、あんたがどうしてもっていうなら……」
「なら答えは簡単だな。どうしても、だ」
ゼロスは、自分は衣類をつけたまましいなの着ているものを全て剥ぎ取る。
彼女の透けるような裸体が陽の下に露わになる。
「ちょっ、こんな明るいのにっ!」
「大丈夫、綺麗だ」
そう言って、ゼロスはしいなの胸に顔をうずめ舌を這わす。
「やっ、うん、そんな……はんっ」
そまま、手を伸ばして彼女の秘部に指をそえる。
愛液でテラテラと濡れた秘貝に沿って指を動かし、クリトリスをこねるように愛撫する。
「んっく、ぅあ」
せつなげな声をあげ、モジモジと足を動かすしいな。
胸の先端を舌で転がしつつ空いた手を彼女の首に回し、指を口の中へ入れて舌を弄ぶ。
「ぅう、ぅふっ、ふぁ」
同時に3ヶ所も愛撫され、経験のないしいなは、指で弄ばれている口の端から唾液を滴らせて呻き声をあげる。
「……そろそろいいか?」
ゼロスは猛るモノをズボンから引きずり出す。
「そ、それがあたしの中に……?」
そそり立つペニスを目にし、しいなは怯えた声で尋ねる。
無言で頷き、ゼロスはしいなの秘部にモノをあてがう。
「いくぜ」
ツップ
「っくあぁっ!」
しいなの中にゼロスのモノが完全に飲み込まれる。
「キツいか、しいな?」
「んん、あ、あたしは大丈夫、動いたら、っ、いいよ」
明らかに痛みに耐えながら、彼女は無理にそう答える。
ゼロスはしいなの頬を優しく撫で、彼女をかき抱く。
そしてゆっくり、静かに腰を動かし出す。
「ぇう、あ、っく、かはっ」
しいなの口から苦痛とも快感とも取れる喘ぎがもれる。
上気した顔は歓喜の表情をたたえているが、それは心を満たす愛情によるのか、体を襲う悦楽の波によるものなのか。
ゼロスの背に回されたしいなの手は、服を掴みその背に爪を立てる程の力で彼を抱き締める。
「あ、っふぁ、あた、あたし、もうっ」
「オッケィ、一緒にイくぜっ」
上り詰めるしいなに合わせて達さんと、一段早く腰を動かすゼロス。
「っふぁあぁっ!」
「っくぅっ!」
ビュ、ク、ビュブッ
引き抜いたモノから噴き出した白濁液が、紅く紅潮したしいなの胸をベットリ濡らす。
「ぁああぅ」
しいなは腰をガクガクと痙攣させ、虚ろな目で喘ぐ。
ゼロスは顔を寄せ、軽くキスをする。
「俺さま、先に戻って適当に言い訳しとくからさぁ、ちゃんと身なり整えて戻ってくるんだぜ?じゃあな」
言い残し、スタスタと歩き去るゼロス。
あとには、今の言葉もちゃんと聞こえたか分からない、全裸のしいな一人残される。

「いやー、やっぱしいなは正攻法で簡単にオちたなー。ま、俺さまにかかれば全キャラ制覇もドロ舟に乗ったようなもんだぜ」
やや離れて、一人ほくそ笑むゼロス。
彼の挑戦は、ここに始まったのだ。



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