「ん?どこか行くのか、ゼロス?」 こそこそと宿を抜けようとするゼロスを、偶然通りかかったロイドが見咎める。 「ロイドくぅ〜ん、そんな野暮な事は言いっこなしよ〜」 ニヤリと笑いながら振り向くゼロス。 「ほら、このアスカードじゃあ、まだ俺さまの愛をふりまいてないだろ?だぁかぁらぁ」 「ああ、またしいなと会うのか。わかった、それじゃおやすみ」 言って、あくびをしながら部屋へと戻りだすロイド。 「……ちっ。縁起でもない事いいやがって」 その背に向かって舌打ちするゼロス。 以前正攻法でしいなをオトして以来、彼女はゼロスにベタ惚れ状態なのだ。 とにかく暇があればゼロスにピッタリ寄り添い、更には。 「ふーん。今夜はどこに出かけるつもりなんだい?」 廊下の窓を開けて抜け出そうとしたゼロスの視線の先に、いつの間にかしいなが佇んでいる。 このように彼のナンパや夜遊びを厳しく監視しているのだ。 「いやー、これはその……」 一瞬しどろもどろになるゼロス。 が、そこは海千山千の色男。 「俺さま信用ないなぁ。部屋の外からお前を呼びに行く所だったんだぜ?」 窓から抜けだし、立っているしいなの両手を握りながら言うゼロス。 「よくそんな嘘をつけるもんだねぇ」 言いながらも満更ではない様子のしいな。 ま、今日はしゃーねーか。 ナンパを諦め、今晩はしいなの相手をしてやる事に決めるゼロス。 精一杯の優しい瞳でしいなを見つめ、そっと彼女を抱き寄せる。 「嘘?一体これのどこが嘘だって言うんだ?」 額に軽くキスをし、次いで頬、そして唇を重ね合わせ、彼女の細い腰をグイと引き寄せる。 彼女の胸を自身の胸で押し潰すくらい強く抱き、下半身をすり合わせる。 「ん、んんっ」 最初身を任せていたしいなが、急にゼロスを押し離す。 「ば、ばかっ!こんな所で……誰かに見られたらどうするのさっ!」 「まーったく。この女は文句しか言えないのかねー」 「何か行ったかい!?」 「いーや、なーんにも。なら、場所を移すか?ここなら他にも……」 アスカードにいくつか宿屋がある事を思い出し、同時にここが有名な観光地だと言う事も思い出すゼロス。 「ぃよーしっ!それじゃ場所を変えるとするか!」 「……?」 やたら元気のいいゼロスに、しいなはなんとなくおもしろくないものを感じる。 「ほら、しいな。こっちこっち」 救いの塔でコレットを手招きした時のような口調で走り出すゼロスに、更に不安が募るしいなだった……。 「んんっ、んぁあぅ、くふっ」 熱っぽく喘ぎながら、しいなが身を仰け反らせようとする。 だが、両手を背にまわして掴まれているために、体を地面から浮かせる事は出来なかった。 「どうした?いつもより良さそうじゃないか」 彼女の秘部を、猛るモノで刺し貫きながらゼロスが声をかける。 「っ、そんな……事、っはぁ」 しいなは反論しようとするが、背後から呵責なく責め立てられて声が途絶える。 実際、彼女はいつもより感じている自分に気付いていた。 ここに着くとゼロスは、彼女をいきなり背後から地面に押さえつけ、タイツを脱ぐ間も与えず強引に引き裂いてそのまま犯しだしたのだ。 それなのに今、ペニスを咥えた秘部からは愛液がだらしなくトロトロと溢れ、押し付けられている冷たい石畳も火照った体に心地良く感じていた。 「強引なのも嫌いじゃないみたいだな。それとも場所がいいからかな〜?」 言われてしいなは、潤む目で辺りを見回す。 彼女達をまわりから遮蔽するするものは何もない。 ただ、この巨大な石畳の四辺に立つ石柱から風の精霊を模した彫像が冷ややかにこちらを見下ろしているだけである。 今、彼女達はアスカードの石舞台の中央で斯くも卑猥な行為に及んでいるのだ。 あるはずのない視線がしいなを突き刺し、罪悪感と背徳感が次第に通常の感覚を麻痺させる。 「んっ、あぁっ、ん、ぅふっ」 彼女は甘い啼き声をあげ、進んで腰を動かしだす。 ゼロスもそれに合わせて、闇雲に深く突くように動いていたのを、浅く静かにし始める。 がむしゃらにではなく、自然と息を合わせて絶頂へと互いを誘う。 「うぁは、っく……あ、もっとぉ」 焦らすようなゼロスの動きに耐えられずに、しいなは自分の腰を大きくグラインドさせる。 「ぅあ……くふ、おいしぃ……」 ペニスを奥まで咥え込んだ快感に身を震わせ、石舞台に押しつけられた胸を自分でグイグイと擦りつける。 半開きで舌なめずりばかりしている口からは唾液がこぼれ出し、石の上に水たまりをつくりだす。 「あん……ぅあ……ん……」 断続的に声を上げるしいな。 何箇所も引き裂かれたタイツから覗く部分までも桜色に染まり、虚ろな瞳で快楽の波に没入している。 一種凄惨なまでの痴態を目前にしつつ彼女の中の熱い坩堝のような感触を味わい、ゼロスは限界に達する。 「イくぜっ!」 一段と強く彼女の内を突き上げたあと、引き抜かれたペニスから多量の精液が噴き出す! ビュッビュッ、ビュクッ むき出しになっている秘部や尻、引き裂かれた部分から盛り上がって露出している腿が濃厚な白濁液に汚される。 「んんっ……あはぁ」 浴びせられた白濁液の熱ささえも気持ちいいのか、虚ろな表情のままビクビクと体を痙攣させるしいな。 「ふう」 そんな彼女を見ながら、急速にさめるゼロス。 ま、いいっていえばイイんだけどなぁ。 ヒクヒクと肩を震わせているしいなをじっと見つめる。 いい加減、毎日毎日監視されるのもたまんねぇし……。 ゼロスは束縛から逃れるすべを考える。 なにか大義名分でもありゃあな〜。こっそり抜けるから監視される訳だろ?って事はぁ……。 ブツブツと何事か呟き続け、 「……ピッカ〜ン!!」 急にオーバーリミッツになるゼロス。 「さっそく明日試して見るか〜?」 しいなを尻目にでひゃでひゃと笑うゼロスを、アスカードの闇は何事もなかったように包んでゆくのであった……。 「こっから先は俺さまに任せときな」 ゼロスが一歩前に出て言う。 「わかった。けど、こんな所にまだイベントがあったんだなぁ」 ロイドはしみじみと呟く。 パーティはテセアラにある南島の修道院へ来ていた。 「見逃してるサブイベントがあるからいってみようぜ」 というゼロスの言葉に、早速やってきたのだ。 「まぁ、PS2版なら……」 「ぴぃえすつぅばん?」 「いや、こっちの話」 聞き返すロイドに適当に言葉を濁すゼロス。 「んじゃ。ちょ〜っと時間がかかるだろうけど、みんなここで待っててちょうだいよ」 ヘラヘラ笑って、ゼロスは建物の中へと姿を消す。 その背に、不審げな視線をひとつ感じながら……。 「ふあぁ、お、お兄様……」 両手を口元にあて、かすれるような声を出すセレス。 「どうした?ここが弱いのかぃ?」 下半身だけ露わにして立っているセレスを抱き寄せ、ゼロスは彼女の秘部を指で弄ぶ。 「あ……」 クリトリスを刺激する度に、彼女の口から小さな喘ぎが漏れ出す。 「ほら、聞こえるか?クチュックチュッ、って恥ずかしい音がしてるぜ」 秘貝を押し広げ、ほんの少しだけ指を挿しいれては抜き出し、溢れる愛液で卑猥な音をたててみせる。 「あ……そんな……」 顔をそらすセレス。 ゼロスはそっと彼女の着ているものを脱がせ……、 ボワン 「あ、あんた達何やってるのさ!!」 突然、煙と共にしいなが部屋の中に姿を現し、二人を見て悲鳴を上げる。 「げっ、しいな!!」 屹立したモノを丸出しにしながら、ゼロスもまた悲鳴を上げる。 「まさかと思って来てみたら、か、仮にも兄妹でこんなことを……!!」 絶句するしいな。 うっとりと快感に身を任せていたセレスも、ボンヤリとしながら事態を認識しだす。 「ふ、ふん!わたくし程魅力のある女性が他にいない以上、仕方のないことですわ。あなたこそ、いつもお兄様をたぶらかそうとしていたじゃありませんの?」 「こんな人倫にもとる行為をするようなやつにそんな事言われる筋合はないよっ!!」 ゼロスそっちのけでいきなり口論を始める二人。 「う、うるさいですわこの雌猫っ!覚悟!」 「やるってのかい!?上等だよ!!」 「だーっ!!待った待った!!」 身構えだす二人の間に割って入るゼロス。 「悪いな、しいな。お前の事、愛してるけどよ、こいつの事もほうっておけないんだわ」 「何をどうほっとけないってんだい!!」 怒り心頭で叫ぶしいなを前に、必死で冷静になろうとするゼロス。 「俺のせいでこんな所に閉じ込められてるこいつには、こんな事くらいしかしてやれないんだ」 「お兄様……」 ポッと顔を赤くするセレス。 「ちょっ!だからなんでこんな……!」 ゼロスの、無茶といえばムチャクチャに無茶な言い訳と、そのあまりに落ち着いた態度に逆に気を呑まれるしいな。 理屈ではなく雰囲気と勢いだけで相手を殺す、場数を踏んできた者だけの技である。 ただ丸め込むだけじゃおもしろくねぇな。 若干そんな余裕すら出始める。 「そんな訳でぇ、俺さまを満足させた方と付き合う事にしようと思う」 急にヘラヘラした態度になり、そんな提案をするゼロス。 「……いい加減にしときなよ、あんた」 凄まじい殺気を放つしいな。 ま、しいなの反応はこんなもんだろ〜。だけど……。 「あら、自信がないからといって暴力に訴えるつもりですの?」 言って、ゼロスの方に近づくセレス。 ぃよっし!ナイスだ!セレス! 心の中でほくそ笑むゼロス。 「お兄様、わたくしが満足させてさしあげますわ」 ゼロスの前に跪き、こんな状況で豪胆にも反り返ったままのペニスに舌を這わせ出す。 「*$%&#&!!」 ファンタジア版ヴォルト並みの、意味不明な言葉で呻くしいな。 そんな彼女を完全に無視し、セレスはゼロスのモノをチロチロと舐めまわし、その小さな口でチュパッ、チュパッ、と咥え込みだす。 「っく!いいぜ、セレス……」 ぎこちなくも懸命な彼女の奉仕に、くぐもった声で言うゼロス。 「んふっ。おにいははぅへひふ、おいひいへふわ」 ペニスを咥えたままモゴモゴと何か言って、嬉しそうにゼロスの顔を見上げるセレス。 「しいなは不戦敗でいいのか〜?」 ゼロスはニッ、と挑発的に笑って声をかける。 「くっ……もう!何がなんだか……どうなっても知らないよ!」 言ってフラフラとゼロスに近づき、セレスを押してすぐ横にしゃがむしいな。 「んんっ!」 セレスの頬張っていたペニスを奪い、喉の奥まで咥え込む。 ジュプジュプと音をたててフェラをするしいなと額をつき合わせて、セレスは茎の部分へと舌をのばす。 「おおっと、こりゃ……」 セレスとしいながペニスを奪い合って互いの舌を絡ませあい、ほとんど交互に先端を頬張っては茎を舐め、二人の手が陰嚢を弄ぶ。 唾液と先走りが滴り落ち、セレスはしいなの服をはだけさせ、しいなはセレスの秘部へ手をのばす。 「んん、んんふ」 「ぷぁっ、ぅん、っく」 それぞれの体を弄りあい、ゼロスのペニスをおいしそうに頬張りながら身悶えする。 「それじゃ、二人で抱き合ったまま横になろうか」 ゼロスが言うまでもなく、倒れこむようにして床に横になる二人。 頬張るものがなくなったからか女同士で唇を重ね、ネットリと舌を唾液を絡ませつつ、胸といわず背中といわず、白い指が蛞蝓の如く這い回る。 しいなの上になったセレスは片手で自分の秘部を押し広げ、円を描くように腰をふりだす。 「お兄様、早くわたくしに下さい……」 「あん、ゼロスぅ、あたしの方が先だよ」 「うわぉ……」 予想をはるかに上回る結果に、感嘆の声をもらすゼロス。 焦らすように二人の股間の間に自分のモノを挿しいれ、ふたつの秘部に挟まれる感触を味わう。 体をくねらせ、ねだるように甘い啼き声をあげる二人。 ゼロスは一通りそうやって楽しむと、どちらとも知れない愛液でヌルヌルになったペニスをセレスの秘部にあてがい一気に貫く。 「うぅあっ、んくっ、お兄様ぁ」 突き上げてくる快感に抗う事無く、嬉しそうに自身でも腰を動かしだす。 「っん、うふっ」 しいなはセレスの秘部へと手を移動させ、彼女のクリトリスを撫でさする。 「んっふぁ、ああっ、ああっ」 悲鳴に近い声をあげ、大きく身を仰け反らせるセレス。 同時に、強い締めつけを感じてゼロスも背を反らせる。 頭の中が真っ白になり、あまりの快感に逆に感覚が鈍くなるのを感じる。 彼はセレスの中からペニスを抜き、もの欲しそうに口を開いているしいなの中へと挿入する。 「くふぅ、あは、熱、い……」 しいなは、自分の上で快感に打ちひしがれたままのセレスを抱きしめ、ゼロスのかわりのように所構わずキスを浴びせる。 妖しい軟体動物みたいに三人は身を絡ませ、唾液や愛液に全身をぬめらせる。 しいなにキスをされる度、セレスは焼け石を押しつけられたように身を捩って喘ぎ、ゼロスは、突き上げる度に柔らかくも強く締めつけてくるしいなの秘部に蕩けそうになる。 「んんっ、くっ、ゼロス、あたしもう!」 当のしいなもこみ上げる快感に飲み込まれ、息も絶え絶えにそう叫ぶ。 「ぐうっ!!」 それを待っていたのか、ほとんど同時にゼロスは激しくしいなを突き上げ始め、セレスの秘部にも指を挿してその内をかき回す。 「ぐうっ、っくあ、んぁは」 「ふあ、あ、ああぁお兄様ぁ!」 獣じみた喘ぎとともにしいなの腰がガクガクとゆれ、セレスが一際大きく叫ぶ。 「ぐっ、くう!イくぜっ!!」 ゼロスはペニスを抜き、二人の頭の方へ回り込む。 「うぅあっ!!」 ドプッ、ビュグッビュグッ、プピュッ 耐えに耐え抜いて限界にまで達した快楽が開放され、多量の白濁液がしいなとセレスの顔一面を白く汚す! 「ぅぁあ……お兄様のが……わたくしの顔に……」 「っぁ……」 むせ返るような精液のにおいに恍惚とした表情を浮かべるセレス。 しいなはほとんど声もださず、セレスの顔にベットリとついている精液を舐め取りだす。 そしてゼロスは、貧血でも起こしたように意識が薄れるのを感じていた……。 「ん〜、で、これはど〜なってんの?」 しばらくして。 イチャイチャとじゃれ合うセレスとしいなを呆然と眺めながらゼロスが言う。 「あら。お兄様、まだいたんですの?」 「はん、そんな奴気にする事ないよ」 「あん、お姉さまったら」 彼の方を向くセレスの両頬を押さえ、キスをするしいな。 「え〜っと……俺さまがどっちに満足したかっていうとぉ」 「アブソリュート!」 「風刃縛封!!」 グシャポテ。 問答無用で攻撃され、ダウンするゼロス。 「き、切り替わり早すぎ……」 「言ったろ?どうなっても知らないよ、って」 セレスの顎に片手をあてて上を向かせ、そう言ってウィンクしてから再びキスをするしいな。 「あん、んむ」 人目、というよりゼロスの目を全くはばからず、バカップル並みにベタベタと互いを触りあう二人。 しいなからの監視からは開放されそうなものの、 「……納得いかね〜ぞぉ〜!!」 とは、ゼロスの心の叫びであった…… |