ゼロスの野望 風雲録



日の光がほとんど差し込む事のない、無数の魔物が蠢く死の森・ガオラキア。
しかしレベル200オーバーのパーティにとっては、ただの殺傷数を稼ぎやすいエリアのひとつでしかない。
パーティは別行動を取り、特にプレセアは単独で戦闘を続ける。
EXスキルにグローリー、更にクローナシンボルとヒールバングルを装備した彼女ならば万に一つも死ぬ可能性はない。
斧を引きずり歩き、索敵する少女。
その背後に静かに忍び寄る影がひとつ……。
「プレセアちゃ〜ん!」
ガバーッ、と覆い被さるようにプレセアに飛びかかる人影。
「爆焔焼破!」
すかさずプレセアの斧が一閃、人影を宙高く打ち上げる!
「おおっと!?」
「翔舞裂月華!!」
更に、人影が空中で受身を取ったのもお構いなしに追撃する!
「ぷ、ぷれせあちゃ……」
ドサリ、と地に落ちてなお自分に呼びかける人影をマジマジと見、プレセアは攻撃を止める。
「ああ、ゼロス君でしたか」
「……そりゃないんじゃないかな〜」
早くも回復し、身を起こしながらぼやくゼロス。
「けれど、ちょうどいいところで会いました。ちょっとお聞きしたい事があるのですが」
プレセアはゼロスに近づく。
「おっ、何でも聞いてちょうだいよ〜。俺さまなんでも答えちゃうんだから」
斧でザブザブ斬りつけられたのもなんのその、ゼロスは揉み手をしながら満面の笑みで返事をする。
「はい。リーガルさんかリフィルさんの方が適任と思いますが、とりあえずゼロス君に聞いてみます」
「……相変わらずキッツいね〜」
肩を落とすゼロスに一切取り合わず、プレセアが話し始める。
「先ほど、茂みの中に何かの気配を感じたのでそっと覗いてみたんです」
「ふんふん」
「そこにはロイドさんとコレットさんがいました。声をかけようかと思ったんですが少々様子が変だったんです」
「ほーほー」
「その、抱き合いながらしきりに揺れるように動いていて、二人とも顔が真っ赤だったんです」
「ぶっふ!」
思わず吹き出すゼロス。
「どうかしましたか?」
「いや、べべ別に。続けて続けて」
「はあ。結局声をかけずにその場を立ち去ったんですが、あれはなんだったんでしょう?」
ヤってた。ほぼ確実に。
そう言いかけ、ゼロスは思いつく。この状況を野望に活用する方法を。
「そうか……見ちまったもんはしょうがないな」
ゼロスは大げさにかぶりを振る。
「もしかして、見てはいけない事だったんですか?」
心配そうにゼロスの顔を覗き込むプレセア。
「ああ……前にクラトスの奴から聞いたんだけどな。プレセアちゃんが見たのは恐らく、永続天使性無機結晶症を予防するための儀式みたいなもんだ」
「それは……コレットさんが前に罹った病ですね」
「そう。本来エクスフィアを身につけてる者はその儀式を行う事であの疾患を防ぐらしい。俺さまはクラトスに頼まれて、みんなにその方法を教えてる最中だったんだ」
もちろん大嘘である。
「エクスフィアを身につけた者……私もですね」
プレセアは胸元のエクスフィアに手をやり、ゼロスを見る。
かかった!
長い間無機生命体してたとはいえ、所詮中身は13才!俺さまにかかればこんなもんよ!
内心ほくそ笑むゼロス。
「そう。ちょ〜どいい機会だし、さっそく儀式を始めよっかぁ?」
にやつきそうな顔を無理に引き締めているものの、ついついセリフが間延びしてしまう。
「はい。どうすればいいんですか?」
生真面目に返事するプレセア。
「とりあえずー、着てる物を全部脱いでくれるかな〜?」
「はあ……コレットさんは服を着てましたが?」
(おいおい〜。ロイドの奴、あの歳で着衣プレイかよ。)
舌打ちするゼロス。
「あ〜。ロイドはバカだしコレットちゃんはドジっ娘だしな〜。きっと忘れてたんだろ?」
「そうですか?……そうですね、十分考えられます」
プレセアは意外とすんなりゼロスの言う事を信じ、服を脱ぎ始める。
儀式云々を完全に信じているからか、恥じらいも躊躇いもなくあっさり全裸になるプレセア。
「それじゃ俺さまの言う通りにするんだぜ。まずは……そう、動くな」
「はい」
ビシッと直立したままのプレセアに近づき、ゼロスは彼女のまだ膨らんでいない胸に舌を這わせる。
ピクリとその体が揺れ、驚きと不安の混じった瞳がゼロスを見つめる。
「ん?だ〜いじょうぶだって。俺さまそんなに信用ないかなぁ?」
「……いえ、そういうわけでは」
「なら、問題なしってね」
ゼロスは元の通り、胸の上で舌を動かし始める。
円を描き、張り付くように舐め、胸の先端を舌先だけで弄ぶ。
執拗に続く愛撫に、プレセアの息が次第に熱くなり始める。
「ゼロス君……何か胸の奥がくすぐったい気がします」
たまらなくなったのか、プレセアがそう言う。
「ああ、そりゃ気持ちいいんだって。体が正直に反応してるんだ」
この判然としない感触……!……これが快感……?
プレセアがそんな独白をしたか定かではないが。
無意識のうちに、漏れ出す吐息を押し殺すプレセア。
ゼロスの愛撫は胸だけにとどまらず、腹部に舌の這った跡を残しつつ秘部へと延びる。
閉ざされた秘貝を強引に舌で押し割り、無防備なクリトリスに吸いつく。
「あっ……」
プレセアの小さな悲鳴をよそに、ゼロスは小刻みに舌を震わせ蕾を刺激する。
「ん……ふ……」
抑えてもなお漏れ出すわずかな吐息が、ゼロスの心を酔わせる。
ジュンと潤いだした秘部から舌を離し、自身の屹立したモノを露わにするゼロス。
「んじゃ次は、横になってくれるかなぁ?」
「……はい」
理解した上ではない期待を胸に、プレセアは地面に横になる。
ゼロスが彼女の秘部にペニスを擦りつけ、溢れ出した愛液がニチュッと淫靡な音がする。
「いくぜ……」
ペニスはゆっくりと、しかし確実に彼女の中へ侵入してゆく。
「っく……」
キツく締まる彼女の中で、怒張したゼロスのモノが欲望のまま動き出す。
「……っはぁ……」
苦痛の為か快楽か、頬を朱に染めたプレセアは懸命に声を押し殺す。
ゼロスはそんな彼女に口づけし、そのまま頭をかき抱く。
プレセアはその細い腕をゼロスの胴に回して抱きしめ返す。
互いの体がより密着し、まるで心までひとつになったかのような錯覚に陥る。
「は、ぁふ……」
わずかな喘ぎ声を除き、言葉のないまま快感を貪りあう二人。
動きに合わせてたつ卑猥な水音だけがやけに耳に響く。
プレセアの中は愛液で十分に潤い、蕩けるような快感がペニスにまとわりつく。
それを頭で意識しているうちに、ゼロスは絶頂感に襲われる。
「っくぅ!」
ペニスを引き抜き、欲望のたけを思う様吐き出す。
「ぅあ……これはいったい……?」
自身の体を汚す、灼熱の如き熱さの白濁した液体を指でなすりながら問うプレセア。
「え?ああ……それがぁ、儀式のメインなんだよ。全部すくって飲み干せばぁ、無事完了ってわけ」
「そうなんですか……」
プレセアは体中に飛び散った白濁液を少しずつ指ですくい、口に運ぶ。
顔をしかめながらも、彼女はそれを全て嚥下し終わった。
「くぅぅぅ!いいねぇ!」
一人悦に入るゼロス。
「これで終わりですか?」
「そう、これで終わり。おつかれさん」
嬉しそうに答えるゼロス。
「それで、どうしてこの儀式を覗いてはいけないんですか?」
「へ?」
裸のまま生真面目に質問するプレセアと、自分の言った事を忘れているゼロス。
「……」
「……あ〜そうそう!それは」
しどろもどろになりながら、必死でホラを考えるゼロス。
この後、プレセアをとりあえず納得させるまで30分かかったという……



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