「うぅ、さっみー!早くあったまろうぜ!」 ロイドが大げさに声をあげ、暖炉の前へと走る。 「うむ。確かにこの寒さは骨身に染み入るようだな」 「リーガルさんは、まず上着を着た方がいいと思います……」 皆軽口を叩きながら、ゾロゾロと暖炉へ向かう。 フラノールの宿・オリーブビレッジの中が一気に騒々しくなる。 全員が思い思いの場所につき、のんびりくつろぎ始めた中、一人何事かを考え込む者がいる。 もちろんゼロスである。 さて、どうしたもんか。 これまで、パーティ内の女性を全制覇するため暗躍してきた彼だが、最後にして最大の難関を前に攻めあぐねているのだ。 リフィル・セイジは、これまで使ったような姑息な手が通用する相手ではない。 いっそデモンズシールでも装備させて無理矢理に……。 ゼロスはそこまで考え、頭を振る。そいつぁ俺さまの美学に反するってもんだ。 せめて何かきっかけでもあればなぁ。 しっかし、なんでこのパーティの女性にはモテないんだか。 EXスキルのパーソナルも効果ないし。 扱いはぞんざいだし。 いつの間にかただのグチになっているのにも気付かず、ゼロスは一人暖炉の前に佇む。 「ん?一人?」 周りを見回すと、既に他の者は階段を上がり始めている。 ほーら、ぞんざいだ。 「おーい、待ってくれよハニー達ぃ」 ゼロスは密かに肩をすくめ、おどけた声をかけながら階段を上がり始める。 と、ちょうど一番後ろにいたリフィルが振り返る。 「そうそう。ゼロス、ちょっと話があるからあとで私の部屋にきてくれるかしら?」 きたきたぁ!きっかけがキター! テンションが上がりすぎてオーバーリミッツに突入するゼロス。 「りょ〜かい!リフィルさまぁの頼みなら、俺さまなんだってきいちゃうんだから!」 「その言葉、忘れないようにね」 なにやら意味深なセリフを残し、さっさと階上へ上がるリフィル。 その言葉の響きに、なんとなく不安を感じるゼロスであった。 「意外と遅かったわね。あ、扉に鍵をかけてくれるかしら」 部屋を訪れたゼロスを迎え入れ、リフィルは椅子に腰掛けたまま指示を出す。 「へいへい」 漠然とした不安からか、いまいち乗り気ではない返事をするゼロス。 それでも言われたとおりに鍵を閉め、リフィルへと近づく。 「で?話ってのは?俺さま明るい話題の方がいいんだけどなぁ」 ゼロスはなるべくいつものようにおどけて話す。 が、それもここまでであった。 リフィルがすっと立ち上がる。 「あなた、最近様子がおかしいわね」 ぎくぅっ! いきなり一番痛いところをつかれ、思わず顔にでるゼロス。 「……何か後ろ暗いことでもやってるんじゃないでしょうね?」 はぁ、とため息をつきながら尋ねるリフィル。 「いっやー、はは、そんな事は」 ヤりまくり。 やっばいぜ、まだばれちゃいないようだが……。 「ふふふっ」 どう答えるか必死で考えるゼロスを尻目に、急に笑い出すリフィル。 「無駄よ。プレセアから話は聞いたわ。しいなからもそれとなく、ね。 もしかするとコレットにも手をだしたのかしら?」 「……ばれちゃあしょうがないな。どうする?俺さまを追い出すか?それとも……」 その瞳が妖しく光り、服の後ろに隠した邪剣ファフニールの柄に手をのばすゼロス。 「そうね、こんな罰はどうかしら?」 言うや否や、いきなりゼロスにキスをするリフィル。 「!!っ!?」 突然の予想もしていなかった出来事に、短剣を抜くどころか避ける事もできないゼロス。 そのまま、リフィルの舌が強引にゼロスの口内へと侵入する。 「っは……んむ……」 己が舌を絡ませながら媚びるようにゼロスの舌を吸うリフィル。 まるで蜜でも舐めるように、湧き出す彼の唾液を自身の口の中へ舌ですくいとる。 ひとしきりすくい取った唾液を嚥下して、やっと彼女は唇を離す。 「あんな小さな子に手をだす位溜まっていたのなら、どうして私のところへ来なかったのかしら?」 妖艶な笑みを浮かべながら問いかけるリフィル。 「リ、リフィル……さま?」 ゼロスは完全に気を飲まれ、ろくに答えることも出来ないでいる。 「あら、意外そうね。全然想像もしてなかった、って顔をしてるわよ」 そう話しながら、スルスルと自分の衣服を脱ぎだす。 裸になり、ツイ、とベッドへ近づき腰掛けるリフィル。 「おあいにく様、私だって女よ。人の温もりの欲しい夜くらい、あって当然でしょう?」 「……も、もっちろん!」 結果オーライ! ゼロスは顔全体でそう表現していた。 慌てて服を脱ぎ去り、腰掛けているリフィルを押し倒す。 「そんなにがっつかなくても、フラノールの夜は長くてよ」 リフィルの言葉も届かないのか、貪るように彼女の胸に顔を埋め吸いつくゼロス。 「ん、いいわ……ほら、もっと強く……ぁは、そうよ」 真っ白な乳房へ一心に舌を這わせるゼロスに、リフィルはあれこれと注文をつけ始める。 「胸ばかりじゃなくて、そう……あぁ、優しくなぞって、ぅふ、ぁ」 胸から首へと舌を這わせ、首筋を舌先でなぞる様にしながら、片手でリフィルの腰を抱きしめつつ片手で胸を揉みしだく。 彼女は頬を紅く染めながら手をやり、そのたおやかな指をゼロスのペニスへ添える。 あえてぎこちなく、ゆっくりと焦らすように手を動かし、先走ったその先端に人差し指を当て、クニクニと円を描くように這わせる。 そうしながら空いている手を自身の秘部へのばし、見せつけるように押し広げながらクリトリスを弄りだす。 「んっ、ぅん、はぁ……こんなに先走って、そんなに私の中に入れたいの?」 溢れるカウパーに指をべたつかせながら、ゼロスの耳元で囁くリフィル。 「っく、入れたい……です」 耐えかねたかノリを合わせたのか、ガラにもなく従順に答えるゼロス。 「ぅふ、いいわ、入れなさい……その暴発しそうな程そそり立ったのを、私の中に」 ゼロスは言われるまま、愛液溢れる彼女の秘部にペニスを突き立てる。 「っは!……ぅん、んんふ、最初は……ゆっくりと、っぁは」 リフィルは、体の内を焼くようなペニスの熱さと、それを咥え込む快感に身を震わせる。 深々と最奥まで到達し、しばし動かずに互いの快楽を確かめ合う。 やがてゆっくりと、前後に、また回すように腰を動かし始める。 「ぅぅ、ぅあ、あ、あぁ、い……ふあ、いいわ、中で、うぁあ、いいっ、もっと、もっと激しくっ」 彼女の上げる歓声が、溶けるような夢うつつの声から次第に乱れたような肉感的な叫びになる。 一層激しくなった腰の動きに合わせ、リフィルの痴態はより激しくなる。 ゼロスの首にしがみつき、何度も何度も唇を吸い求めその頭をかき抱く。 彼の背中に爪を立てながら、貪欲に腰を擦りつける。 「んんっく、んはっ、あふ、んぅ、ぅあっ、すご、いいわ、いいのっ」 声を荒げ、強く抱きつき身を振るわせ始めるリフィル。 「あぁっ、あは、ぁく、きて、きてっ、そのまま中にっ、きてぇっ!」 「っ!!」 その声に誘われたか、ゼロスはほとんど同時に絶頂に達する。 彼女の中に、多量の精液が吐き散らされる。 思う様射精感を味わった後、ゆっくりと身を離すゼロス。 「ぅふあぁぁ」 体内を満たした欲望の証が流れ出すのを感じながら、法悦にひたるリフィル。 頭に霞がかかったように、二人はしばしそのまま時を過ごした……。 んっはははははっ、楽勝だぜ! 一人ほくそ笑み、己の成し遂げた偉業をかみしめるゼロス。 ひとしきり勝利の美酒に酔い痴れ、服を着ようと立ち上がる。 「あら?もしかしてもう終わりなの?」 静かに半身を起こして振り向き、問いかけるリフィル。 「いやまあ、その」 ゼロスは適当に言葉を濁す。 「そうはいかないわ。せっかくなんだからまだまだ楽しまないと」 「と言われても……あんなに激しかったから、俺さまもう」 その実、目的達成した時点で興味を失っているため腰が引けているゼロス。 それもそうだろう、彼はもともと女性に困ってこの偉業を始めたわけではないのだから。 「それなら心配ないわ……キュア!」 ゼロスのHP全回復! 「更に、キーネスト!ダメ押しにリバイブ!」 戦闘中攻撃力15%アップ!戦闘不能時自動的に復活! 「ってそんな!?」 「言ったでしょう?フラノールの夜は長いって。ホーッホホホ!」 強制的に回復・攻撃力アップされたモノに向かって話しかけ、リフィルは高笑いを上げる。 女の敵である彼の内心を見透かしたかのように。 そう。ゼロスの悪夢は、今始まったばかりなのだ…… |