医者の疲労回復法



「ヴェイグさん、お疲れですね」
瞳をウルウルさせながら、アニーがヴェイグの背後から声をかける。
「?……いや、そうでもないが……」
「いいえ。ヴェイグさんは気付いてないだけです」
否定するヴェイグにヒシ、としがみ付くアニー。
彼女の胸のふくらみが腕に当たり、ドギマギするヴェイグ。
肩口に彼女の息がかかり、すぐ目の前には心配そうにこちらを覗きこむアニーの顔。
「ほら、何もしてないのにこんなに動悸が激しいですよ」
彼女はヴェイグの胸の辺りに手を当て、そう断言する。
「……それは……」
「私、いい疲労回復法を知ってるんです。ヴェイグさんも試してみませんか?いえ、試しましょうよ」
アニーは口ごもるヴェイグに一気にたたみかける。
「はい、まずは目を閉じて……。そして、どこか温かい国でのんびりしている姿を思い浮かべてみて下さい」
訳がわからないまま、言われる通りにするヴェイグ。
「ほら、だんだん全身がホコホコ温かくなって、どこか気持ちよくなってきませんか?」
「……言われてみれば……なんとなくそんな気も……」
メンタルトレーニングの効果なのか、ヴェイグは確かに体が温かくなっていくのを感じる。
同時に、何か下半身がムズムズするような、奇妙な気持ちよさを感じ……。
「……っ!アニーッ!?」
あまりの不自然さに目をあけると、アニーがヴェイグのペニスをズボンからさらけ出し、モゴモゴと咥えている姿が目に付く。
「どうかしましたか?」
ひざまずき、次第に屹立するペニスを手で扱きながら、彼女は何食わぬ顔で答える。
「……何をしているんだ……!?」
「何って……フェラチオです。クレアさんにしてもらった事ないんですか?」
「いや、そう意味じゃあない……」
「ああ!疲れた時は、一回射精した方が後々楽になるんですよ」
「そう……なのか……?」
「はい、これは一種の正式な治療法ですから。ヴェイグさん、ちゃんと指示に従って下さいね」
唐突な事の運びとアニーの落ち着いた態度、それに彼の「クレアとそれ以外」という物事の認識の仕方が相まって。
「……わかった……」
まるで看護婦に座薬を入れられる前の患者の如く、ヴェイグは素直に従う。
「ぅふふ、ヴェイグさんの、おいしそうな形ですね」
少々常軌を逸した目で、アニーはペニスをマジマジと眺め、十分勃起したペニスをゆっくりと咥える。
濡れた唇で軽く押さえつけながらカリ首までを口に含み、唾液まみれの舌でその先端をチロチロとくすぐる。
円を描くようにペニスのまわりに舌を転がし、カリに沿って舌を這わせる。
「っは……気持ちいいですか?カウパーがいっぱい溢れてきてますよ」
そう言ってニッコリ微笑み、アニーは唾液と先走りにまみれたペニスを再び咥える。
今度は喉の奥まで使ってペニスを根元まで咥えこみ、ズルズルと引きずり出す。
ジュプッ、ジュプッ、と淫猥な水音を立てながら、アニーは幾度も幾度も頭を前後に動かす。
溢れた唾液と先走りで彼女の下顎から喉はベトベトに濡れ、ペニスや唇の端から幾筋もの銀糸がのびている。
同様にベトベトの陰嚢を片手で優しく揉みしだき、茎をもう片手で扱き、アニーは、今度はペニスの先端に何度もキスをする。
軽く舌先を当て、チュッ、チュッという小気味良い音と共に、キスをしながらペニスを軽く吸い付ける。
そうしながら、彼女は紅潮した顔で、潤んだ瞳で上目遣いにヴェイグの目を見つめる。
次第に、ペニスは激しく波打ち、一層固くなり始める。
「ぁぁ……ヴェイグさん、イきそうなんですね?すごく固くなってますよ」
舌先や唇についた先走りをニチュニチュと弄び、優しい笑顔で言うアニー。
ペニスがヒクヒクと痙攣しだし、まさに爆発せんと限界に膨張し。
「うふっ、まだダメですよ」
ペニスの根元を強く締め付け、射精できないようにするアニー。
「っく!?」
驚きと、それに勝る苦痛に悶えるヴェイグ。
「イくならちゃんと言って下さい。どうしたいんです?」
根元を締めつけたまま、アニーは激しくスロートし始める。
「ぐ……イく、イきそうだ……」
「イくだけでいいんですか?それじゃ、このまま地面に射しちゃいます?」
苦しげに答えるヴェイグに、冷たく言うアニー。
実際、握ったペニスの先を地面へと向ける。
「……いや、アニー……お前の……顔、に」
「ぅぁあ……私のお顔に出したいんですか?はぁ、ヴェイグさんのザーメンで汚したいんですかっ?」
アニーは興奮した様子でそういいながら、ヴェイグのペニスを舌先に当てて、激しく扱き出す。
「ああ……そうだ……アニー、お前を……汚したい!」
「っあ!キてくださいっ、ヴェイグさんのザーメンで、私を汚してっ!!」
「っぐう!!」
アニーの艶な姿と舌の感触が脳髄を襲い、そしてそれと共に根元の締め付けが開放され。
ドビュッ、プビュクッ、ビュプッ
多量の精液が噴き出し、舌から顔を、顔中からさらに髪までを白濁液が覆う。
「ふぅあはっ!……ヴェイグさんの……ザーメン……こんなに……」
むせ返るような男の匂いと顔を覆う精液の熱さに恍惚としながら、彼女は舌にかかった精液を飲み干し、唇の上の白濁液を指先で弄んだ……。

「ヴェイグさん、お疲れですね」
なんとなく肌がツヤツヤとしたアニーが、ヴェイグの背後から声をかける。
「……ああ、そうかも知れないな……」
ヴェイグは彼女に言われるまま、再び彼女の疲労回復法に身を任せた……



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