「その関節は……そっちには曲がら、ぐぁあっ!!」 ロニの悲鳴が辺りに響き渡る。 例によって例の如く、下らない事を言ったせいでナナリーに関節技をかけられているのだ。 きしむ関節、浮かぶあぶら汗。 頃合を見計らってか、極められていた関節がふと緩む。 「ホント、ロニとナナリーって仲が良いよなぁ」 ただ離すではなく、コブラツイストから垂直落下式リバースDDTへと派生していくナナリーの投げコンボを眺めながら、カイルはニコニコ笑ってそう言う。 「この状態を見てそう言えるあんたがスゴイわ……おおっ、すごい!さらにリバースゴリースペシャルボムッ!?」 カイルをたしなめるかと思いきや、ポテト片手に観戦モードに入っているハロルド。 リアラも、止めるでもなくカイルの横で意味もなく笑顔を浮かべている。 「……ふん、お前達にはつきあってられないな……」 ジューダスが不機嫌そうに言い、一人その場から離れようとする。 「あら、見てかないの?ここからが面白いのに」 ハロルドが延々と続く投げコンボから目を離さないまま、歩き去ろうとするジューダスに声をかける。 「こういう馬鹿騒ぎは性に合わない。一足先に休ませてもらう」 ジューダスは軽く片手を振り、そのまま姿を消す。 「あそー。じゃねー」 ハロルドの興味なさ気な声が誰もいない空間へ投げかけられる。 格ゲーばりのナナリーの多彩な攻めに見入っているのだ。 「……いい加減……誰か止めろよーっ!」 ロニの魂の叫びにも、取り合う者は誰もいなかった……。 コンコン、コンコンッ ジューダスが宿の一室で武具の手入れをしている最中、ドアがノックされる。 「あたしだけど……今、入ってもいいかな?」 「……ああ」 ドアの向こうへ返事をし、ジューダスは武具を片付けだす。 部屋へ入って来たのはナナリーだった。 「わざわざことわる必要はないと何度も言ってるだろう、全く……」 立ち上がって彼女を迎え入れたジューダスは、被っていた仮面をテーブルへと下ろす。 「うん。でも、これは癖みたいなものだしね」 柔らかな声でそう答える彼女は、先ほどのサブミッション使いと同一人物にはとても思えない。 軽く微笑んだその顔を見るだけで、なんとなく和んでしまいそうである。 「……ねえ。さっきはどうして一人で部屋に戻ったりしたのさ?」 唐突に、彼女は真面目な顔でそう切り出す。 ロニに関節技を極めていた時の事だ。 「……どうして僕が、馬鹿の仲間入りをしなくちゃいけないんだ」 「でもあんなに急に戻ったりするから、どこか調子でも悪いんじゃないかって、あたし……」 ナナリーは心配そうにジューダスの顔を覗き込む。 「……ふん」 ジューダスはすぐ目の前にまで近づいた彼女を一気に抱き寄せる。 「わかってないのなら説明してやろう。お前があんな風に他の男とベタベタくっついているのが僕には耐えられなかった、ただそれだけだ」 「あ……」 ハッとするナナリー。 「いいか、お前はもう僕のモノなんだ。相応の意識を持ってもらわないと僕だって困る」 「ごめん……あたし、ちょっとふざけ過ぎてたよね……」 そう呟いてうなだれる彼女の顎に手を当て、自分の方へ向き直らせるジューダス。 「……わかればそれでいい……その、ナナリー……愛してるぞ……」 「ふふっ。あたしも。愛してる……」 ジューダスは、更に何か言おうとする彼女の唇を強引にキスで塞ぐ。 彼女は目を閉じ、ジューダスに身を任せる。 しっかりと抱き合いながら、幾度も唇を重ね合わせる二人。 口内で舌が絡み合い、ナナリーは流し込まれる唾液をコクコクと喉を鳴らして飲み下す。 ジューダスの指が彼女の頬を撫で、髪を梳り、耳の辺りをくすぐるように弄ぶ。 「んんっ、ぅん、ふぁ」 彼女が声をあげようと口を開いても舌は依然口内を蹂躙し続け、垂れ零れた唾液が生暖かい軌跡をひいて彼女の胸へと落ちてゆく。 知らず、彼女の手はジューダスの股間へと伸び、ズボンの上からでもわかる位に屹立したモノを撫でさする。 それに気付いたジューダスはそのまま彼女を抱き上げ、ベッドへと連れてゆく。 フワ、と彼女を下ろし、ジューダスは彼女の下着を下ろしてその秘部へと顔を近づける。 「やだ、ちょっと、っく、んう、もう、バカッ」 ナナリーは抵抗しようとするが、彼はそれをたやすく押さえ込んで下腹部に舌を這わせる。 ぬるぬると、下腹部から太ももの付け根へ舌を這い進ませ、秘部全体を舌で愛撫する。 次第に閉ざされていたその入り口がほぐれ、愛液がトロトロと溢れだす。 固くなり始めたクリトリスを丹念に舌で愛撫しながら、濡れた秘部の中へと指を挿入する。 「ぅう、っあん、ぅあぁ、ぁふ、んんっ」 彼女の中で指が動く度彼女の喉が鳴り、甘い呻き声が漏れ出す。 指が曲がり、伸び、奥へと突き進み入り口へと引き返し、押さえつけるように擦れる。 彼女は快感に身を委ねながらそれでは飽き足らないのか、空いている両の手で胸を剥き出して揉みしだき、指を咥えてしゃぶりだす。 「ね、ぇっ、ジューダス、そろそろ、んぅふ、おちんちん、ちょう、だい……」 喘ぎながら、彼女がそうおねだりする。 その顔が紅潮しているのは恥ずかしさのせいか快感の証か。 艶やかな笑みを浮かべ、熱っぽくも半ば朦朧とした視線を投げかけられ、ジューダスは彼女の秘部を愛撫するのを止め、自身のモノを露わにする。 無言で彼女の秘部に屹立したペニスを当て、ゆっくりと刺し貫く。 「んんぅあ、ぁはっ、ん、熱、い、よぉ」 ズヌズヌと猛るペニスを咥えこみ、彼女の秘部はそれを締めつける。 ヌルヌルの愛液と熱い肉の感触がペニスを包み込み、同様の快感を二人は共有する。 その蕩けそうな快感の中、ジューダスは腰を動かし始めて更なる快感を得ようとする。 突き上げる度に溢れる愛液が淫靡な水音を立て、二人を一層の悦楽へと導く。 思考が麻痺したようになり、快感を求める事、互いを愛し合う事以外考えられなくなる。 「ぅふ、っくん、、ぅあ、おいし、ぁは、おちんちん、凄、いのっ、あたしの中っ、やん、とけちゃいそうっ!」 ナナリーが大声で喘ぎだし、彼女の中の締めつけがきつくなる。 「ぁく、ぅん、きて、あたしの中にキて、白いのいっぱい、出してぇ!」 「くぅっ!イくぞっ、ナナリー!」 ドクッ、ドプビュクッ 叫ぶ彼女に合わせて一際大きく突き上げ、その最奥部へと精液が迸る。 「うぁ、あは……精液、いっぱい……」 ナナリーは体をヒクヒクと震わせ、体内を満たす精液の感触に浸る。 ジューダスが静かにペニスを引き抜くと、精液と愛液が交じり合った白濁液がトプトプと溢れ出す。 「ぁ……や、ん……」 ナナリーは、精液が流れ出す感触に下半身が溶けるような鈍く強い快感を感じ、そのまま意識を失った……。 「あのー、ナナリーさん?どうして指をボキボキとならしていらっしゃるんですか?」 ロニが怯えきった口調で質問する。 悪魔も震え上がりそうな笑みを浮かべ、言葉より先に関節を極めようとしたナナリーの視界にチラとジューダスの姿が入る。 「……別に、ただ指を鳴らしてただけさ。いい加減、バカの相手をするのも嫌になるよ」 彼女はそう言って歩き去る。 「あれ?今日は関節技はなしなの?せっかくポテトも用意しといたのにー」 「ホントだ。ねぇロニ、ナナリーと喧嘩でもしたの?」 ハロルドが残念そうにポテトを頬張り、カイルがややずれた事を言う。 「……ふ、ふふん!あいつもやっと、このロニさまの気迫ってもんが読めるようになったみたいだな」 「まったく……本当におめでたい奴ばっかりだな……」 強がりを言うロニの後ろで、ジューダスは思い切り肩をすくめてみせた…… |