一途なるその思い



「うん……ありがとう、フィル。……大切にする」
良かった、どうやら喜んでくれてるようだ。
スーファは、俺がプレゼントしたオルゴールを大事そうに手にしている。
心なしか背景もいい感じになっている気がする。
「ん?」
なんとなく視線を感じて振り向くと、ジゼルが立っていた。
「やあ、もう戻ってきたんだ?」
俺が声をかけても彼女はじっとこちらを見つめ、やがて、買ってきたばかりの人形をその場に取り落とし駆け出した。
「?」
「追いかけてあげて……私はいいから」
訳がわからず立ち尽くす俺にそう言うスーファ。
「っ!?そうか、ごめんスーファ」
やっと事態を飲み込み、俺はジゼルの落とした人形をつかみあげ、走り去る彼女を追いかける。
「ううん……私にはコレで十分……」
吹きつける風で唸る俺の耳に、スーファのそんな声が聞こえた気がした。

「……フィルさま……」
市場を少し離れた通りでジゼルに追いつき、その手を掴む。
振り向いた彼女の瞳は赤く、涙が幾条も流れ落ちている。
「どうしてですの……フィルさまは、わたくしよりスーファさんの方がお好きなのでしょう?」
辛く悲しそうな瞳で、しかし毅然と言い放つ。
「スーファは……大切な仲間だ」
俺はそう言いながらジゼルをそっと引き寄せる。
「え……?」
「ほら……せっかく買った人形落としたらダメじゃないか」
彼女の手に、人形を手渡す。
「翡翠の瞳、白磁の肌……こんな愛らしい人形、しっかり掴まえてないとすぐに消えちまう」
ジゼルを強く抱きしめ、額に軽くキスをする。
「あ……」
「ごめんな、今まで気付いてあげられなくて。でもこれからは……」
「そんな、そんなのって卑怯ですわ……」
彼女は両手で俺の胸を押し、強引に離れる。
「今までフィルさまは、わたくしの好意を無下に断ってこられました。なのに……なのに今更そんなに優しくなさるなんて!」
口に手を当て、彼女は荒ぐ声を抑える。
「……その言葉、本当に信じてよろしいんですの?」
「うん。ジゼル、これからは君の事だけを見てるよ」
「ああっ、フィルさまっ!」
「ジゼル……」
人形はまたも地面に落ちてしまったが、人形のように愛らしいジゼルは俺の胸へと飛び込んできた。

「あのー、これはいったい?」
「あら、ご心配には及びませんわ。支払いの方は執事が既に済ませております」
「いや、まあ、その事もなんだけど……」
あの後、ジゼルが指を鳴らすとどこからともなく執事達が現れ、半ば拉致るようにメチャクチャ高級そうなホテルへと連れ込まれてしまったのだ。
素っ裸にひん剥かれ、ガウンだけかけられ、更にむやみに広い部屋に待たされる事30分。
ボケーッとベッドに腰掛けている内、やっと誰か姿を現したと思ったら薄物一つ羽織っただけのジゼルだったのだ。
「フィルさま……ずっとお慕い申しておりました……」
彼女はヨヨ、と俺の胸にしなだれる。
「ジゼル……」
「もしフィルさまがお嫌でなければですけど……わたくしの事を隅々まで愛していただけませんか?」
彼女は熱を帯びた瞳で俺の顔を見上げる。
「ジゼルッ!」
「あんっ!フィルさま、そんなに慌てなくても」
俺は夢中で彼女をベッドに押し倒し、薄物を剥ぎ取って唇を吸う。
「ん、ふ、ぅあ、んむ」
チュブッ、チュッと舌が絡み合う度に唾液が卑猥な音を立てるが、それが余計に俺の下半身を刺激する。
「可愛いよジゼル」
「そんな、お恥ずかしい限りですわ……本当はもっと胸があればいいんでしょうけど」
彼女は恥ずかしそうに頬を赤らめる。
「そんなことないさ。今のままのジゼルを愛してるんだ」
そう言って胸にキスをする。
「ふぁ……ん」
彼女は額に手の甲を当て、悩ましげに喘ぐ。
その仕草があまりに可愛く、俺はそのまま執拗なまでに胸を攻め続ける。
「んっく、ぁは、フィルさま、そんなにされてはわたくし、んふぅ」
構わず、そのまま首筋へ脇へと舌を這わせ、腹部へと移動し、上半身くまなく唾液でベタベタにする。
目を移すと、彼女の秘部からは愛液が溢れ出し、シーツまで濡らしているほどだった。
「ジゼル、すごく感じてるね?」
「はぁっ、そんな、フィルさまがいけないんですわ……」
「ふふっ、すごく溢れ出てるよ、ジゼルのココ」
俺は彼女の秘部に軽く指を添える。
「っはぁ!」
高い声をひとつ上げ、彼女はビクビクッと体を震わせる。
どうやら軽くイったらしい。
「……はぁ、フィルさま……」
彼女はすぐに体をもたげ、俺のモノへと顔をよせる。
「すごく苦しそうですわね。んふっ、お口でして差し上げますわ」
そう言って怒張しきったモノを手でさする。
「口でって、うわっ!?」
彼女は不意にモノをくわえ込み、ネットリと舌を這わせ出す。
温かい舌にまとわりつかれ、濡れた唇で吸い上げ、彼女の小さな口では咥えきれない根元の辺りを手でしごき上げられる。
しかも目の前には濡れてヒクヒクと痙攣したように動く彼女の秘部。
「っくう!!」
予想せず一気に射精感が絶頂に上り詰め、思わずビクッと腰が引けてしまう。
ド、ビュプッ、ビュル
「やぁ、あはっ」
吹きだした白濁液が彼女の顔を汚す。
「ああっ、フィルさまの精液……」
ジゼルは顔中を覆った白濁液を指ですくい自らの口へと運び、喉を鳴らして飲み干す。
そんなものを見せられてはモノが休む暇もない。
「ジゼル、いいかい?」
俺は萎える事無く怒張し続けたままのモノを彼女の小さな秘貝に押し付ける。
「どうぞ、フィルさま。お好きにして下さってかまいませんのよ」
男としてたまらない言葉を耳にしながら、俺は彼女の中へと一気に侵入していく。
「っくぅあはっ!フィルさまのがわたくしの中に……ああ」
完全に俺のモノをくわえ込み、彼女は恍惚の表情を見せる。
「ジゼル、すごいよ……」
十分に潤った彼女の中は熱く、しっかりと絡み付いてきた。
「ああ、フィルさまのもすごいですわ……わたくし、溶けてしまいそう……」
俺は彼女の顔を自分の首元へと抱き寄せ、荒々しく腰を動かし始める。
「ぅうっ、くっ、ふあ、ああっ、フィルさま、フィルさまの、すご、ふぁふっ」
彼女は叫びながら俺の背へと手を伸ばし、爪でカリカリと背を掻いたかと思えばギュウッと抱きしめる。
「ジゼル、ジゼルっ!」
俺はもはや言葉もなく、しきりに彼女の名を叫ぶ。
「っくふ、フィルさまの、っあ、奥に届いて、くっ、わたくしおかしくなりそうですわっ!」
彼女の中が急にきつくなり、彼女の体温を更に強く感じる。
「ああっ、フィルさま、フィルさまっ、どうぞ、あっく、わたくしの中へ、中へ出してくださいぃ!」
頭が悪くなりそうなまでの快感が俺を支配する。
「ううくっ、ジゼルッ!」
「フィルさまっ、っくふぁ!」
ビュブビュブッ、ビュ、プ
さっきイったばかりとは思えない程すごい量の精液が、彼女の中をいっぱいにする。
「フィルさまの精液が、わたくしの中に……んんふっ、愛していますわ、フィルさまっ」
そう言って、ジゼルは俺の顔中にキスの嵐を浴びせる。
「すごくよかったよ、ジゼル」
「あん、そんな、恥ずかしいですけれど……でも、うれしいですわ」
俺は彼女を力いっぱい抱きしめる。
「あら、フィルさま、すごい汗ですわね?はやくお拭きにならないとお風邪を召してしまいますわ」
「ってまさかっ!?」
パチン
彼女がそう言って指を鳴らすとどこからともなく執事達がタオルを持って現れ、気付いたら俺は女のような悲鳴を上げていた……



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