とどめの一押し



「改めてこの言葉を送らせてもらう。俺と……結婚して下さい。」
温子ちゃんからのプロポーズを断ったこの教会で、俺はそう言った。
彼女は必死で、親が悲しむかもだとか言葉が乱暴だとか、結婚する事のデメリットを挙げていく。
けれどもう、俺の決意は揺るがない。
「それから、それから……」
俺は、尚も自分の欠点を挙げ列ねようとする温子ちゃんに顔を近づける。
「あ……」
小さく声を上げる彼女にキスを。
千の言葉に勝る説得に、温子ちゃんはただ静かに唇を重ねていてくれた。
「ホントにアタシでいいの?」
「温子ちゃんがいいんだ」
問いかける彼女に即答する俺。
「あは……」
温子ちゃんは少し涙ぐみながら笑い、
「嬉し――――いっ!」
俺に抱きつく。
「俺も……そんなに喜んでもらえるなんて嬉しいよ」
彼女を抱きしめ、今度は深いキスを。
スッと目を閉じる温子ちゃんの頬を指で撫で、小さな唇に咥えられるようにしながら彼女の口内へ舌を伸ばす。
待ち受けていたように彼女の舌が絡みつき、俺の舌をくすぐりだす。
俺は舌伝いに唾液を流し送り、2人の舌がチュ、グチュッと卑猥な音を立てる。
「ん、んっ」
軽く喉を鳴らし、その唾液を飲み下す温子ちゃん。
その頬はほのかに朱に染まり、潤んだ瞳がうっすらと開かれる。
俺は彼女の耳元に口を寄せ、そっと囁く。
「あのさ……しよっか?」
温子ちゃんは黙ったまま小さく頷く。
彼女を抱きかかえ、床に寝そべらせる。
ひと時も離れないほどキスを交わし舌を這わせながら、互いの着ているものを脱がせる。
焦る理由なんてないのに気が急くせいか、自分の動きがやたら緩慢に思えてしまう。
それでもなんとか彼女の前をはだけさせ、両の掌で蕾のような膨らみを包み込む。
「っん……ぁ」
僅かに声を漏らし身を反らせる温子ちゃん。
その首筋にキスをし、ギュッと抱きしめる。
彼女の腕が俺の顔を押し下げ、胸の辺りに移動する。
「あんっ、っはぁ!」
望みどおり胸の先端を口に含み舌先で弄ぶと、温子ちゃんは声をあげ俺の顔を掻き抱く。
彼女の体がヒクッヒクッ、と震えるのを楽しみながらしばらく胸を愛撫し続けていると、いつの間にか彼女の手が俺のモノをまさぐっているのに気付く。
片手で器用に俺のモノを露わにした彼女は急にクスクス笑い出だす。
「どうかした?」
「ぅふっ。だって、影二君のヌルヌルだよ」
そういって温子ちゃんが俺のモノをしごきだすと、溢れ出した先走りがニチュニチュと音をたてる。
彼女の細い指がヌルヌルと俺のモノに絡みつき、余計にカウパーが溢れ出す。
「んふふっ、アタシの胸そんなに魅力的だっ……っくぁ!」
ふざけてそんな事をいう温子ちゃんは、下着の上から秘部を触っただけで大きな声をあげる。
「そういう温子ちゃんだって、ほら、すごく濡れてるじゃないか」
俺は下着の中に指を侵入させながら言う。
既にグッショリ濡れている秘部を指で撫で、クリトリスを軽く捏ねてみる。
「んぁっ、ぅふ、気持ち、い……」
何もない空間に舌を突き出し何かを舐めるような動作をしながら、俺のモノを激しくしごきだす温子ちゃん。
「ねぇ、影二君のコレ……ちょうだい……」
甘い声でいう彼女。
「ん?何が欲しいの?」
俺は彼女の秘部に少しだけ指を挿し入れ、焦らすように微妙に動かしながらそんなイジワルを言ってみる。
「やっ、ぅぅ、いじわるぅ〜、んくっ」
こんなに可愛く言われるならイジメがいもあるというものだ。
俺は構わず指を動かし続け、首筋から耳たぶへと舌を這わせる。
「っは!ぅあ、んもぅ……影二君の………んが欲しいの……」
「そんな小さな声じゃ聞こえないよ?」
更に意地悪く言い、耳たぶを甘噛みする。
くふっ、と声を漏らし身を捩る温子ちゃん。
「あ……欲しいの……おちんちん……が欲しいの……」
全身を真っ赤にして、ようやく温子ちゃんはその一言を口にする。
「それじゃ、いれてあげるね」
そういいつつ、自分でも我慢出来ないくらいガチガチに勃起したペニスを彼女の秘部にピタリと押しつける。
「っくう!」
「ぅうあぁはぁ!」
プチュ、水音をたてて、ペニスがスルスルと彼女の中に飲み込まれる。
根元まで飲み込むと同時にきつく締めつけられ、温かくヌメヌメとした感触がペニスの前面を包み込む。
「あは……影二君の……おいしいよ……」
そう言って微笑み、口付けをしてくる温子ちゃんを腕に抱き、芯から蕩けそうなほどの快感に全身が浸かりこむ。
「温子ちゃんの中も、すごく気持ちいいよ」
俺は思ったままを口にし、腰を動かし始める。
「っあん、ぅふ、いいよ、すごくいいよぉ!」
可愛い声で啼きながら、温子ちゃんは俺にしがみ付き首のあちこちを強く吸う。
俺に突き上げられる度に木の葉のように彼女の体が揺れ動き、その喉から歓喜の声が漏れ出す。
必死に俺の首にキスマークをつける彼女をしっかりと抱き、その耳元や頬、首にベットリと舌を這わせ愛撫する。
「んふ、んん、んんっ!」
敦子ちゃんの声が次第に大きくなり始め、彼女自身も腰を動かしだす。
目から火花が散りそうなほどの快感に打ちのめされ、必死で堪えてもペニスの先端から先走りが多量に迸っているのがわかる。
「温子ちゃん、俺、もう!」
「ぁんん、いいよ、来て、アタシの中に全部出してぇ」
喘ぎ声と共に、溶けそうに甘い声で俺に耳打ちし、彼女は俺の体を強く抱きしめる。
「っい、いいよ、ちょうだい、影二君の、あはぅ、いっぱいちょうだいっ!」
叫びに合わせて締め付けが強くなり、甘美な誘惑に抗う余地がなくなる。
「くううぅっ!」
グプッ、ビュブッ、ピュプッ
「……あ、んはぁ」
彼女の中に多量の精液を吐き出すと、ガクンと身を揺らし恍惚とした表情を浮かべる温子ちゃん。
ビュル、ビュプビュグ
「ぁあ、すご……い……」
余韻おさまらずいつまでもペニスから白濁液が溢れ、その度に彼女は体をヒクヒクと痙攣させた……。

「うふふ、いっぱい出たね」
嬉しそうに温子ちゃんが言う。
「温子ちゃんの中がすごく気持ちよかったからだよ」
「もー、嬉しい事言っちゃってー。恥ずかしいじゃない……けど」
すっ、と素に戻ったような口調になる温子ちゃん。
「けど?」
「ちゃんと責任取ってね。口先だけじゃなくて」
言いながら、自分のお腹をさすってみせる彼女。
「って!ええっ!?」
「まーまー、絶対当たったってわけじゃないしー。それに、結婚しちゃえばおんなじでしょ?」
ヘラヘラと笑う温子ちゃん。
「そ、それはそうだけど……」
いくらなんでも……。
それが騙まし討ちのように思える俺は、彼女が俺を騙していた事が翌日判明するなど露ほども思わなかったのであった……



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