サニーサイド



「ごちそうさまでした」
「あら?おかわりはいいのかい?」
陽子おばさんは笑顔でひどい事をいう。
闇カレーの暗殺的な不味さをこれ以上味わえば確実に再起不能になるだろう。
「ええ……もう……」
適当に言葉を濁し席を立とうとする。
「そうかい?じゃあちょっとまっとくれ」
陽子おばさんが一緒に立ち上がり、僕の方へとやってくる。
と、おもむろに僕の股間に手を伸ばす!
「ちょっ!?いきなり何するんです!?」
キョトンとしてこっちを見る陽子おばさん。
「何って、いやだねぇ、ナニに決まってるじゃないの。最近の若い子はそんな事もわからないのかい」
そう言いながらも僕の股間を微妙に刺激し続ける陽子おばさん。これは何かのイタズラのつもりなんだろうか?
とにかく、変に反応してしまわないよう僕は鋼鉄の自制心でもって体を支配する。
「おっ。逞しくなってきたじゃないの」
……くっ、一生の不覚。
「ふふん、風下に立ったがうぬの不運よ」
陽子おばさんは考えを見透かしたかのようなセリフを言う。
「食べたらヤる、それが若さってもんさ」
そんな無茶苦茶な事を言って陽子おばさんは僕の服を脱がし、自分も着ているものを脱ぐ。
普通一児の母、しかも高1の母ともなれば肌に翳りが見えていて当然だが、露わになった陽子おばさんの肌はたとえ琴梨ちゃんと比べても遜色ない程白く、ツヤがあった。
胸も張りがあり、腹まわりがだぶついていたりもしない。
いや、年齢を重ねただけの艶やかさが加味され、陽子おばさんの全身から大人だけの持つ気品すら感じられる。
「年齢の話は無しだよ。あと、おばさんって言うのもね」
陽子おば、いや陽子さんはまたしても考えを見透かしたような事を言う。
そして強引にディープキス。
僕は……、知らず知らず陽子さんの腰に手を回し、強く抱きしめていた。
「んむぅ、んぁ」
チュプッ、クチュッと卑猥な音を立てながら、キスはいつまでも続く。
「さて、前座はこれくらいにして、と」
陽子さんがいきなり顔を離し、しゃがみこんで僕の一物を咥え込む。
そのまま緩急つけて頭をグラインドさせる。口の中では舌がまとわりつき、先をくすぐり、包み込みと八面六臂の大活躍をしている。
「って、もう何がなにやら……」
「ああ、いいねぇ。若いだけあってさすがに張りってもんがあるよ」
陽子さんは僕の一物を握りしめ、頬ずりしながらそう言う。
しかし完全にされるがまま、というのもかなり悔しいものがある。
「そんなにいいですか?それじゃ早速味わって下さい!」
僕は無理やり陽子さんを押し倒し、既に潤っていた陰部に挿入する。
やられっぱなしだった事へのささやかな反抗のつもりだった。
「ああっ、いいっ!!」
「くうぅっ!これはっ!?」
陽子さんが快感に叫び、僕は快感と同時に驚きに包まれる。
入り口が狭く、内部で程よく締め付けられ、その感触は無数のヒダがうねりながらまとわりつくような、そう、まさに『ミミズ千匹』というべきか!
しかも先端がこすれる部分は、小さな球体がびっしり詰まったゼリーの中につっこんだように、ザラザラ擦れるものがありつつもヌルヌルとした、これこそが『数の子天井』とでもいうのだろうか!?
何故かグルメ漫画モードから抜けきれないまま未経験の快楽に包まれ、喘ぐ陽子さんの息を肌に感じながら数瞬後には僕の意識はホワイトアウトし始めた……

目を開くと、陽子おばさんの顔が目の前にあった。
「気がついたかい?」
泣きボクロがチャーミングな陽子おばさんがニッコリ笑う。
「あの、僕はあの後……?」
周りを見回すと、何も変わっていない。すぐ横のテーブルの上には闇カレー。
いや、陽子おばさんはちゃんと服を着ている。はっとして見ると自分も服を着ている。
「まったく。いくら闇カレーが不味かったからって、席を立ってすぐ倒れる事はないだろう?」
まさか!?
夢、だった?
しかし状況が、そう考えた方が当然と言っている。
「ほら、立てるかい?」
「すいません」
色々と。ああっ、あんな夢を見るなんて、よっぽど溜まってるんだろうか?
僕はフラフラと書斎へ向かおうとする。
その背に陽子おばさんが声をかけてくる。
「また面白い企画があったら協力しておくれよ。その分お返しはするからさ」
妙にその言葉が引っかかって振り返ると、ウィンクをひとつしてキスしてくる陽子さんがいた……。



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