「ああ、やっぱり最高の気分……」 ここ湯の川プリンスホテルの、昨日も宿泊した部屋の露天風呂にドップリ浸かり、俺は思わず気持ちが声に出る。 二晩連続で同じ夜空を仰ぐというのもなかなかいいものだし、何より今日は昨日と違って……。 「相変わらず気持ちよさそうね」 「うん」 やっと露天風呂に入ってきた京子ちゃんが声をかけてくる。 「ふ、振り向かないで!お湯に浸かるまで、そっちを見てて!」 頷いて振り返ろうとする俺を、彼女は必死の口調で制止する。 これも昨日と一緒。ただひとつ違うのは。 「いいわよ」 やっと了解を得て振り向いた俺の目に、水面に反射する星明かりと京子ちゃんの裸が眩しく突き刺さる。 肝心な部分は全部タオルで隠れているけど。 ……湯船にタオルをつけるのはマナー違反だ。 「ふぅ……気持ちいいわね」 彼女はそう言って、まだ湯で温まりきっていない背中を俺の背にピッタリつけて座る。 そのまま、俺達は紡ぐ言葉を見つけられずにじっと湯に浸かり続ける。 そう。 函館山で京子ちゃんから全てを聞き、俺達は一緒に宿に帰ってきた。 彼女の望む通り、昼も夜もずっと一緒にいる為に。そして……。 少し湯でのぼせたのか、京子ちゃんがほう、と息をはく音がする。 それから、彼女は少し身を反らせて俺に体を預けてくる。 「……私がちゃんと男の人と付き合った事がないって話、前にしたかしら?」 後ろから彼女が話しかけてくる。 「……うん」 「……そ、そういう訳だから……ちゃんと、してよね」 言いながら、彼女は俺の横に移動して腕に寄りかかる。 その顔は真っ赤で、潤んだ瞳は忙しなくあちこちを向いている。 そんな恥ずかしがる彼女の手を取り、俺は一気に京子ちゃんを引き寄せ抱きしめる。 「大好きだよ、京子ちゃん」 耳元で囁く俺に、彼女は少し抵抗するように体を動かす。 「京子、って呼んで……」 今にも蕩けそうな声でそう言われ、ズクン、と全身の血が一箇所に集中する。 「京子……」 俺は彼女にキスをする。 唇と唇が触れあい、何度も重なり合い、徐々に舌を絡ませていく。 ネットリと唾液をまとわりつかせながら彼女の舌に巻きつき、互いの唾液を混ぜ合わせるように口内をジュプジュプと蹂躙する。 混じりあった熱い唾液が口の端から零れ、彼女の肩から胸を舐めながら湯の中へと落ちる。 気持ちがいいのか、ツンと緊張して伸びきった彼女の舌を愛撫しつつ、俺は彼女を強く抱きしめる。 邪魔なタオルを剥ぎ取り、京子の胸を押しつぶすように抱き寄せ、固くなったペニスを押しつけるように腰を擦り合わせる。 「んんっ、ぅく、っぷぁ」 鼻からぬけるような甘い声をあげ、コクコクと喉を鳴らして口内の唾液を飲み下す京子。 なおも執拗に彼女の舌を愛撫しながら、俺は片手で彼女の耳を弄ぶ。 不意に、俺のペニスが握り締められる。 普段ビデオカメラを支えている細くしなやかな腕が伸び、その掌がペニスを包み込んでいた。 彼女は慣れていない動作でソレを扱き始める。 ぎこちないその動きはもどかしく、しかし緩やかで抗い難い快感を与えてくる。 俺は唇を離し、座ったままで彼女を少し持ち上げる。 「京子、そろそろ……」 俺は彼女に問いかけながら、湯の中で彼女の秘部にペニスを宛がう。 明らかに湯ではない、粘質な液体がペニスの先端に触れるのがわかる。 「いいわ……あなたのをちょうだい……」 京子も熱っぽい視線を俺に向けながら頷き、両腕を俺の首に回してくる。 少し緊張している彼女の体を、ゆっくり下に下ろす。 きつい抵抗感のあと、同様にきつく締めつけてくる彼女の中にペニスがうずまってゆく。 熱い。 お湯なんか話にならないくらいの熱さがペニス全体を包み込む。 「っぅくっ!」 彼女が苦痛の声をあげ、体を仰け反らせる。 「大丈夫?」 俺は慌ててそう声をかける。 言外に、無理ならば中断するという事を含ませて。 「っ……ひとつ確認させて」 「な、何?」 俺の問いかけに、逆にいつもの口癖で尋ねてくる京子。 「私の中……気持ちいい?」 「……うん。すごく気持ちいいよ」 こんな時になにを……、と思ったけどとにかく正直に答える。 と、ただでさえきつい彼女の中が一層きつくペニスを締めつけてくる。 「っあぁ……いいわ、このまま最後までして」 それだけ言うと、彼女は俺の反論を封じるように唇を重ねてくる。 それに応えて俺は彼女を抱きしめ返し、ゆっくりと腰を動かし始める。 愛液にまみれたペニスが彼女の中で擦りあげられ、痺れにも近い快感が全身を駆け巡る。 キスを重ね彼女の舌を貪り吸いながら、けなげにも痛みに耐えている京子の胸を優しく揉む。 上下させるよりも擦り合わせるように腰を動かし、敏感に反応して大きくなっているクリトリスも刺激する。 「は……ぁあ、ぅん、んん、っく」 少し痛みがましになってきたのか、それとも快感の方が上回りだしたのか。 京子は喉を鳴らし、耳に心地良い喘ぎ声を上げ始める。 身を反らせる彼女の背に片手を回して支え、丸見えになった結合部に手を伸ばしてクリトリスを指でクンニする。 湯の中だけあって、多少無理な姿勢を取れるのはありがたい。 「やっ!?ちょっと、やめなさいよ!そんな事されたら、私っ!」 彼女が声を上げて抵抗しようとするが、俺はお構いなく指を動かす。 固くなったクリトリスを弄び、ペニスをゆっくりひきだしてはまた突き上げる。 彼女の体が月光に照らされ、水面に揺れ動く。 どんな映像よりも鮮やかな、上気した体が快感に震えるのがわかる。 体を支えている俺の手を両手で掴み、いつの間にか彼女自身腰を動かしている。 「やぁ、んふっ、お願い、も……やめて……」 そんなウットリとした目で言われてもやめる訳にはいかない。 「それよりもほら、自分で胸を触ってみてよ」 俺は一層激しく彼女を突き上げながら言う。 「え……こ、こう?」 やはり気持ちがいいせいだろうか、なんの判断もなしに言われた通りにする京子。 両手で胸をつまむようにして揉みしだきだし、ぎゅっと目を閉ざす。 「っは!……ダメ、声がでちゃう……」 周りの部屋の事を気にしていたのか、彼女はそういって胸を触るのをやめようとする。 「大丈夫。もし聞こえたって2度と会う事はないよ」 言って彼女の体を引き寄せ、キスをする。 一瞬はっとした表情を浮かべ、彼女は赤く染まった頬に笑みを浮かべる。 「キスの仕返しのつもり?……ふふっ」 笑みを浮かべたまま、彼女は再び胸を揉みしだく。 漏れ出す喘ぎ声を気にする事無く。 身を仰け反らせて俺の腕に寄りかかり、溶けそうな視線を俺に向けながら彼女は貪欲に快楽を貪る。 少し開いた口の中では舌が艶かしく蠢き、もの欲しそうにチロチロと唇を舐めている。 彼女の中はただきついだけではなくなり、なんというか、絶妙な具合でペニス全体をくわえ込んできた。 彼女の最奥を亀頭で擦り上げると嬌声が上がり、焦らすように入り口辺りで動かし続けるとねだるような喘ぎがあがる。 見も心もひとつになり、互いに上りつめようと快楽の渦に身を委ねる。 不意に彼女の中が一際強くペニスをしめつけ、凄まじい快感が一気に脳天まで突き抜ける。 「京子っ!」 脳内が真っ白にスパークし、俺は彼女の名前を叫ぶ。 「ぁっ!!」 彼女は声にならない声をあげ、俺にギュッとしがみつく。 ビュブッ、ビュクッ、ビュルル 彼女の中に大量の精液が流れ込む。 「っく、ああ、あなたのが私の中に……」 内を満たす精液の感触に、彼女は全身をヒクヒクと震わせる。 俺は眩暈がしそうなほど強烈な射精感に襲われながら、同様に達したらしい京子を見て思う。 どんな監督でもカメラマンでも、今の彼女を見たら絶望するだろうな、と。 俺の腕の中で快楽の余韻に浸っている今の彼女に勝るような映像など、取れるはずがないんだから。 |